上質の画像 切り抜き
支持層が深いところにある場合、普通は長い杭を打つことになりますが、5階建て以下の低層の、どちらかといえば軽い建物には、杭にかかるコス卜が大きくなります。
もし中間層に、軽い建物なら支えられる硬さの地層があれば、短い杭でその中間層に支持させるケースもあります。
他の方法としては、建物の直下の地盤を固める地盤改良を行うやり方や、摩擦杭、あるいは杭を打たない浮き基礎等、いくつかの工法があります。
これらは役所のチェックと認可を受けているとはいえ、設計図書で確認しておく必要があります。
また、支持層が十メートルを超えるような深いところにある場合、中間層の地質か悪いと、乃ぺージで述べたような液状化現象や圧密沈下の危険が想定されます。
中間層の悪い例としては、腐植土層(植物が堆積してできた地質)、シル卜層(貝殻まじりのド口状の地質)、柔らかい粘土質の層等があり、これらはすべて水分を多く含んだ軟弱な地質です。
広いエリアで」のような軟弱地盤がある場合、地下水を汲み上げると地盤沈下が起」ります。
地質調査の柱状図には、地表面から支持層にいたるまで、それぞれの深さの地層について、地質の硬さを表したグラフ(貫入試験の打撃回数)がありますので、これらのことがよくわかります。
しかし、早合点してもらってはいけないのですが、支持層が深かったり、中間層が軟弱地盤だと絶対ダメということではありません。
業者側が万全な対策を講じていれば、それはそれでよいわけです。
杭工法については次のとおりですが、液状化対策の地盤改良もいろいろな工法でなされていますので、支持層の深さと杭工法、地盤改良の有無とその工法等は納得いくまで質問し、確認しておきましょう。
また、支持層の深さなどを表す広域の地盤地図や液状化現象の起こる可能性のある危険地域を示した地図は、公共の少し大きな図書館に行けば見ることができるはずです。
自分の買おうとするマンションが基礎部分でどのように支えられているか、購入者の関心はまだまだ薄いようです。
建築の専門知識がない購入者としては、「つくり手を信用しているから」というしかないのでしょうが建築技術の進歩で、たしかに建物の強度は増しました。
が、まだまだ万全ではありません。
手抜きもあります。
「どんな杭を使、っか」「どんな工法で杭を打つか」によって、建物の強度に明確な強弱が生じます。
建物を足下から支える杭には、大きく分けて「既製杭」と「場所打ち杭」の2種類があります。
「既製杭」は、工場でつくられた電柱のようなもので、「コンクリート杭」や鋼鉄製の「H型銅」「鋼管杭」と呼ばれるものなどを指します。
従来はこれらを杭打ちー機で力ンカンと打ち込んでいました。
硬い地盤(支持層)までの距離が長い場合には、複数の既製杭を溶接で継ぎ足しながら打ち込むということをやっていました。
しかし、近隣への騒音・振動という深刻な問題が生じるため、杭を打ち込む作業は現在ではほとんど行われていません。
最近では、大きなドリル状のものであらかじめ地中に穴を聞けてから既製杭をそっと挿入し、先端部にセメントモルタルを注入して根固めする工法が採られています。
一方の「場所打ち杭」は、コンクリー卜を流し込む工法です。
機械によって地中に穴を開け、力ゴ状に組んだ鉄筋を下ろし、その場で杭を「つくる」わけです。
杭の太さ(直径)は、建物の大きさなどに応じて、1メートルから最大で3メートルぐらい。
「既製杭」とちがって、長い既製の杭を運搬する煩わしさも省け、なおかつ太さも長さも現場で調整できるので、最近の高層建築では、ほとんどの場合「場所打ち杭」を採用する傾向にあります。
ここに、先の阪神・淡路大震災で得られたデー夕、があります。
ある建設業者が震災後にマンションの基礎杭の被害状況を調べたのですが、「既製杭」と「場所打ち杭」では、被害に大きな差が生じていました。
それによると、サンプル数お棟の「既製杭」のケースでは刀パーセントの建物で杭が壊れていたのに対し、サンプル数幻棟の「場所打ち杭」では、壊れていた杭はおパーセントでした。
厳密には、地質・地層など地盤も含めて検討しなければ断定できませんが、このデータを単純に比較するかぎり、「既製杭」より「場所打ち杭」のほうが優れているということがわかります。
「場所打ち杭」のほうが被災率が低かったとはいえ、おパーセントもの被害が数えられたこと、しかもそのいずれの杭も上部がやられていたことから、最近では、杭長の上部約3分のーを鋼管で巻いて補強した「場所打ち鋼管杭」を使うことが多くなっています。
例えば深さmwメートルの杭であれば基礎下約はメートルくらいは鋼管のなかに鉄筋コンクリート、が入った状態になっています。
ちなみに、震災以降、マンション建設には「場所打ち杭」が使われるのが一般的になっています。
また首都圏では、運搬の煩わしさを避けるため、それより早い段階から「場所打ち杭」を採用する傾向にありました。
マンションなら、中古でも場所打ち杭が使われていると判断できます。
「製杭」よりも「場所打ち杭」のほうが高くつきます。
5階程度の低層マンションなら「既製杭」でも強度的に問題ありません。
が、モデルルーム等では、「杭は既製杭ですか?場所打ち杭ですか?長さは何メートルですか?」とス卜レー卜に聞いてみましょう。
杭工法の種類や長さを知るための設計図書の類は、誰でも閲覧可能です。
販売を担当する営業マンに確認するのもひとつの方法ですが、いっそ図面の見方のわかる専門家などを伴って閲覧場所に出向き、自分の目で直接確かめてみましょう。
中古マンションの場合、売買を仲介する不動産業者にはまずこの種の情報はありません。
マンションの管理組合で図面を保存しているはずなので、そちらへ出向いて見せてもらうといいと思います。
柱のなかに鉄筋が入っていることに変わりはありません。
しかし、その施工方法によって、強度には大きな差が生じてくるもの。
ここでは、鉄筋の施工方法によるマンションの強度のちがいについて、触れておきたいと思います。
実は、阪神・淡路大震災のとき、地震の圧力でコンクリート柱のなかの帯筋が外れるという現象が多々見られました。
これは、従来主流だった「バンド筋」工法の弊害でした。
「バンド筋」は、柱の主筋をぐるっと一周させた後、端にひっかけるだけの施工方法のことです。
通常はこれでも問題ありませんが、震災時の揺れによって大きな圧力がかかったりすると事情は異なります。
強い圧力で「帯筋」を引っかけていた部分が外れてしまって、柱の破損を大きくしてしまうことがあるのです。
これを防ぐため、帯筋を引っかけるのではなく溶接で接続する「溶接閉鎖型筋」や、包帯のように一本の鋼材を連続的にグルグル回していく「スパイラル筋」などの工法が採られるようになってきました。
ただし、安全性が高い半面、スパイラル筋工法にはコス卜がかかります。
そのため、業者によってはいまだに「バンド筋」を使っているところもあります。
いずれにしても、鉄筋の施工方法は、外観からは専門家が見てもまったくわかりません。
業者に問い合わせるか、あるいは設計図書で確認するようにしましょう。
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